Bluetoothの音質は薄い?TWSとネックバンドタイプで何が変わるか
安上がりに検証したくて再びPioneerを買ってみる
先日購入した完全ワイヤレスイヤホン Pioneer SE-C5TWは思ったよりは良い印象でした。ただ、しばらく使う内に何だか薄味に感じ初めてきました。コレが通信フォーマットが原因なのか、それともドライバ都合なのか、廉価機種っだからなのか・・・気になって仕方ないので検証を実施です。とは言え LDAC や aptX Lossless 採用の製品を買う程の意気込みは在りません。なので 同時期の製品でかつ同じ境遇のため投げ売りされていたネックバンド型ワイヤレスイヤホン Pioneer SE-C7BTSE を調達してみました。当時流通ではSE-C5TWと同じ9800円ほどで売られていて、低価格で無駄のないコンセプトの双璧を成していた製品です。1,200円で投げ売りされてたのも幸いでした。かなりバランスが取れた比較ができそうで楽しみです。
商品が届く前に仕組みを改めて調べてみる
改めて感じたのですが、商品選びで並べられる用語や価値感がフワッとした説明ばかりで具体性がないと感じました。他の人と話してても「 Bluetoothが最新でないから音質悪い 」 とか聞いたのですが、よくよく調べてみたら若干焦点がズレた内容でした。ですが、説明を見る限りは確かに間違えそうな表現が多いように感じます。
- 実際 "音質" に関わる用語は AAC・aptX・LDAC などに代表される音声コーデックです。
要素はサンプリング周波数やビット深度、圧縮方式、伝送ビットレート。 - そもそも音源の品質に関わるのは、MP3・FLACなどに代表される音源フォーマットです。
要素はサンプリング周波数やビット深度、圧縮方式など。 - よく目にする Bluetoothは機器同士を接続する通信規格、バージョンはその世代です。
新旧に関係なく、音質に直接作用する訳ではありません。
上記の詳細は audio-technica の解説 が参考が分かりやすかたです。ややこしさを更に加速させる要素がスマホ・プレーヤーにも上記が無関係ではない点ですね。特に音声コーデックはワイヤレ スイヤホン(受信機)が対応していてもスマホ(送信機)が対応していない場合は適応されません。私がその点に気がついたのはSE-C5TW購入後のことでした。幸い使用中のスマホ Motorola edge 40は対応コーデックの幅が広いモデルでしたが、廉価モデルやiPhoneを選んでいたら、高性能なワイヤレスイヤホンを買っていても機能を持て余していた可能性があった訳です。
Pioneer SE-C7BTSE が到着。SE-C5TWとの差は?
購入したSE-C7BTSEが届きました。パッケージやグローバル仕様な点は同じながら、表面からは大きく異なる3つの特徴が読み取れます。それは 左右一体型形状であることと、aptX HDに対応していること、動作時間が長いこと です。


実際にはもっと多くの技術的な違いがあるのですが、目立った特徴はまずこの3点ではないでしょうか。SE-C5TWはイヤホン内蔵のバッテリーと充電ケースの両方で運用することを想定しています。一方、SE-C7BTSEはコンパクトさを失う代わりに、単体での長い使用時間を確保しています。また、機能をネックバンド付近に集約しているため、イヤホン自体の重量はSE-C5TW(ケース込み)の半分の 20g になっています。その反面、収納や破損にも気を遣う形状となり、不便さが目立つ印象です。
端的な差は以上なのですが、細かい話をするならSE-C7BTSEの方が
- ドライバーが一回り大型化され金属製ハウジングになる
- 左右イヤホンの無線通信が無くなり、技術的単純化がされる
などの設計上の自由度が挙げられます。これは「技術が乏しいから一体型」と捉えられがちです。ですが、本質的には左右イヤホン間の無線通信をするための技術・コスト・実装スペースの削減が可能だったりします。その余剰分は音質や装着感など別の価値へ振り向けることが出来る仕組みだったりする訳です。
同時期に発売された、同価格帯ながらコンセプトの異なる製品としては分かりやすい特徴と、予算内で工夫をこらした設計が施されている製品だと分かります。コンパクトで手軽なSE-C5TW、限られた予算で良い音を届けようとしたSE-C7BTSE・・・どちらも先進的な機能は持ち合わせませんが、必要十分な内容を低価格で実現するという点では同じです。そして本題の「音楽を聴くうえで差は出たのか」という点ですが、SE-C7BTSEは不満のない音質を有していることが分かりました。
結果「aptX HDが優れていた」ではない事実を確認
今回の検証で確認できたのは「 SE-C7BTSE は SE-C5TW に比べて、音楽を聴くにはかなり良い製品 」だということです。同時期に発売され、同価格帯で販売されていた2製品ですが、スペック表から読み取れる以上の差を体感できました。では音質の差はコーデックによるものなのか? その答えは 否 です。2製品の聴き比べとは別に、SE-C7BTSEのみでaptX HDとAACの聴き比べも行ってみました。個人的な感想に過ぎませんが、この2つでは大きな差を聴き取れなかったというのが私の見解です。その上で今回思ったことは「オーディオの鳴り方は下流(スピーカーやドライバーなど、実際に音を鳴らす部分)の影響が支配的である」ということです。

この見解は、他の製品や形状が音質面で劣るという意味ではありません。高価格帯のTWSは、開発・制御・構成・部品選定などに見合った工夫が施されています。そこには発音を司る部品も含まれるわけで、結果的に良い音を奏でます。ただ、間違えたくないと思うのは「バージョンが新しい、フォーマットが優れている、だから高音質」ではないということです。先進的で着目しやすい用語なので多用されますが、音色を作る部分はもっと単純なところにあります。それを理解した上で商品を選べれば、より良い選択につながるのになと実感した検証でした。


