貧乏時代に買った安物アイテム、長持ち説

余裕がない時の目利き

 40歳を過ぎてから身の回りで感じる事に " 若い時(お金が無かった時)に買った道具が未だ現役 " と言うのがあります。仕事道具はその限りではないものの、趣味や非必需品などにそう言ったモノが多い印象。例えば定規・ペンチ・鏡など、息の長い道具の事です。一般的な頻度で無茶な使用をしなければ、恐らく死ぬまで使えるのではないかと思う程。頻度と耐久性の都合なんですが、それにしても長持ちです。ハサミに至っては得に息の長く、買ってきたのは10歳の頃だったはず。『そんな大きな握りで使えるの?』と言われた気がしたが、今となっては丁度良いサイズになりました。

 これらに共通して言えるのは " 安くても、質の良いモノを選択している " 点です。ここで言う質とは公差や精度の事。私は同じ物が並んでいても、寄り分けて良さそうな見た目のモノを購入する癖があります。工業製品はバラツキは少ないですが、その中に妙に建付けの良いモノが混ざります(その逆もしかり)。見ただけでは判断できなくとも、5~6個手にとって見れば1つ位は何かしらの差を帯びるものです。そうやって買ってきたモノは思いの外 長持ちしたりする訳で、手持ちの道具には薄汚れているのに壊れない道具が溢れていたりする訳です。

「壊れたら良いのを買おう」で損をしている

 今使うコンベックスは、急遽必要になって買ってきたノンブランドの安物です。働き始めたばかりでお金がかけられなかったので「 今使えれば良し!どうせすぐ壊れる。その時は良いのを買う」と手にした代物です。あれから20年・・・随分くたびれてしまいましたが、壊れる様子は無く今に至ります。

使い勝手は見た通りの標準的な使い勝手の悪さ。薄型なのでポケットへの収まり良いものの、自立での安定性が無いので長い所の計測は骨が折れます。一枚物の金属製スケールは伸ばしたり縦を図る際など、腰が弱くペナペナですぐにクタッとなり不便です。屋外だと反射が激しくメモリが読み辛かったりして、ミスをする事も有りました。とは言え部屋探しの時や仕事先の模様替えの際など、誤差なく図ることが出来たので非常に助かったのも事実です。最近は先端付近がベコベコになってきたので、コレを気に買い替える事を決意。一線は新たしい製品に譲り、釣り道具箱で第二の人生を歩んでもらおうと思います。

ブラックフライデーセールで安く買おうと思ったけど

 Amazonなど年末のセールが近いのでその際買おうと計画。事前にお店で現物確認をしていたのですが、やはり個体差が気になってしまい店頭の品物を購入です。気に入ったモデルが5~6個在庫が在ったので全て並べて触ってみた所、全て動作に差が感じられました。並の動作品は良いですが良品と低品の差が大きく、どうしても許容できない内容でした。こうなると選択を他人に委ねる気になりません。値差は1割程、良品を自ら選択できる値段だと思うと我慢できる金額です。

19mm幅と25mm幅で迷いましたが、暫くは建物など大物の仕事は無さそうなのでデスクで使いやすい細身を選択。ツメと送り出し口の高さが揃っているので自立安定して良いですね。抵抗無く引き出せて、自動で止まり、プッシュで巻き戻すタイプです。この機能は昔から有るし、かなり便利なのに何で普及しないんでしょう。職人さんなど、違う使い方をしたりするんでしょうか? スケール部分は多層構造でコシが強く、長く伸ばしてもヨレにくい作りです。つや消しなので反射も無く、メモリが読みやすいのが実に良い感じ。後はストッパーの機構が壊れない事を願うだけですね。作りは、その部分が一番脆そうですから。

価格は税込み850円でした。当初は1,200円くらいの製品を選ぶ予定でしたが、思ったより費用が抑えられた感じです。当時も800円台の気の利いた製品は在ったことでしょう。それでも当時の自分には、その金額は気分的に払えなかったのだと思います。目利きは在っただけにチョット残念ですね。