12年使ってたディスプレイが壊れる
連日の夏日がトドメを指した模様
長らく使ってきたDell U2711は色域がAdobeRGBで97%をカバーする、印刷や写真の現場での使用を目的とした液晶ディスプレイです。FullHDが主流の当時、2Kと高い解像度がながら10万円を割り込むコストパフォーマンスの優れた製品でした。8年を経過した頃に買い替えを意識し始めるも『同じ画面サイズ、同じ価格帯なら4K解像度が出るまで待とう』と様子見していたのですが、その機会は訪れること無く今に至ります。結局12年の月日が経過して、とうとう壊れてしまいました。恐らくバックライトの電源周り、電解コンデンサの破損に寄るものだと思われます。希望していたスペックの27インチディスプレイは発表されるものの、価格は20万近くてとても買える物ではありません。コロナの影響もあり、ここ数年は製品スペックも足踏み状態なので仕方ないですね。しかも現在調達が難しく、価格も高騰しています。何とも魔の悪いタイミングで壊れてしまいました。
次の10年を考えると、色域の重要性に多少疑問を感じます
印刷をするデザインや写真加工は、少ないながらも継続しているため色域は依然として重要だと考えています。そうすると予算や性能を加味して選択肢は3つだなと感じました。
- 長く使うことを加味し、高くても高解像度・高性能な高額モデルを調達する
4K 27㌅ カラーマネジメントモニタ 15万円オーバー - 色域を妥協して、高解像度のデジタルコンテンツ用モデルを調達する
4K 27㌅ sRGB 100%カバーのモニタ 5~8万円 - 現在と同スペックのモデルで我慢する
2K 27㌅ カラーマネジメントモニタ 9~11万円
コロナ禍で2割程価格が上昇していて、以前調べたときに比べ価格が高騰しています。やはり3番目が無難な感じで、価格を鑑みると使用期間は最低8年でしょうか。すると実質20年、ディスプレイの仕様が据え置かれる事となる訳で、判断を誤ると非常に厄介。将来的にデジタルコンテンツがメディアの中心になっていくだろう中で『予算と性能のバランスが本当に釣り合っているか』と考えると決断が鈍ります。スマホ・液晶TV・ラップトップPCなど多くの液晶画面では、どんなに色再現率の高いデータだとしても確認する事は出来ません。それどころか色再現の高いデータが、必ずしもスマホやTV画面で見栄えが良い訳では無いと近頃実感する場面に幾度も出会いました。液晶や表示の品質が今後も継続するとは限りませんが、安く低質で支障がないなら、製品とは無闇に高性能化・高価格化はしないのは自明です。そんな部分にウェイトを課すのは、賢い選択だと思えません。
中古の高性能機を買うと言う選択
3番目としつつ予算と期間を調整しようと考え、中古を購入することにしました。価格は3万前後とし、DELL UP2716DかBenq SW2700PTの二択に。ちょうどタイミング良く、予算に合致した2台を見つけることが出来、UP2716Dを3万1千円で落札。出来ればBenqを使ってみたかったのですが、競り合いになってしまったので高騰する事を避けました。スペック的にはUP2716Dの方が高いものの、LG製の液晶パネルと中国工場での組み立てが影響し評判はそれ程高くありません。自社で設計・製造・組立まで行うBenqの方が信頼性が高いだけに少し残念です。
U2711からUP2716Dに変わることで、解像度に差は生じませんが色々と良くなった点があります。
U2711 | UP2716D | |
---|---|---|
解像度 | 2560☓1440 | ← |
色域 | AdobeRGB 97% | AdobeRGB 100% |
液晶パネル幅 | 646.7mm | 611.4mm |
液晶パネル厚 | 93mm | 51.4mm |
全体重量 | 10.46kg | 7.42kg |
消費電力(常用) | 113w | 45w |
スピーカーとの隙間 | 2mm | 20mm |
他にもデイジーチェーン / KVMスイッチ / PIP PBPなど新機能が拡充され、DPポート・USB3.0ポートなども増えていて年式なりに使い勝手は向上している模様。底面はベゼルが残りますが、3辺はベゼルレスになりディスプレイとスピーカーの隙間が広く出来たのも嬉しいです。
残念な点としては、中古の宿命ですが『製造不良』の兆候が見受けられます。LGパネルを使うDell製品の特徴ですが、品質が非常に低くこの個体も例外では有りません。2017年式ながら既に右下側に液晶の色滲みが発生し始めており、今後数年で悪化するはずです。幸い常用するエリアではないので許容は出来ますが気分は良くないですね。2019年の輸出関係で揉める以前の製造でこのクオリティですから、現行のモデルはどの程度の品質なのか怪しい気がします。
修理は可能だけど、廃棄することに・・・
今回調達のUP2716Dは予算的には最低3年、出来れば6年使いたい所。願わくば半導体不足が落ち着くまで頑張ってくれたらと思います。故障したU2711は液晶電源周りで、恐らく自信での修理は可能ですが破棄する事にしました。12年酷使してきたのだから、ここらでお休みするには十分だと思います。重量・消費電力・排熱など新型を買うことで知ってしまった付加価値が影響しているのも事実。無理して古いのを使うことはないかなと感じました。
色域も色合いも鮮明さも数値には見えない部分で大幅に改善されたので、これから先もしばらくは液晶モニターに高スペックを要求することになりそうです。はやり写真編集をしようと思うと、この部分で妥協することができなくなりますね。次回調達する頃には4Kのカラーマネジメントモニターがお得になっていると嬉しいのですが・・・どうなってる事でしょうか。