レンズのお話、昨日の続き

いざ試し撮りすると

 店頭でAF-S Nikkor 35mm f/1.8G EDを受け取り、軽く合焦・偏り・ピント精度など確認。第一印象は『1/3段明るくなっただけなのに、隅々までクリアで色気を感じる』事でした。ピントの制度確認のために、受付台の上をパシャリ。

AF-S Nikkor 35mm f/1.8G ED,テスト

真ん中辺り 3,850円の『円』にピントを合わせてみました。バッチリの様です。ボケがキレイに溶けるしピンが来ている所は鋭く鮮明。何でも無い場面でも、素敵に映してくれます。コレは、かなり好きな系のレンズ。勝手に上手になった気分になれる機材です。間違いなく楽しいヤツですね。一通り手続きを済ませ、早速海まで試し撮り出掛けてきました。

明る過ぎるのも考えもの。だがソレも良い

 この日も関東は雲ひとつ無い快晴で暖かな一日でした。12月とは言え2時頃なので日差しが強く、ISO100でもオーバー気味に。『明るいレンズだから仕方ない』と思って絞っていきますが、35mm f/1.8G EDの最小絞りはf/16だとこの時に初めて気が付きます。35mm f/2Dは最小絞りがf/22なので、他のレンズも同じだと勘違いしていました。そしてD750はシャッタースピード1/4000が上限。1/8000まで使えれば問題はクリアーできるのですが・・・ひとまずISOを減感 L0.3 にして対応です。

AF-S Nikkor 35mm f/1.8G ED,海岸
AF-S Nikkor 35mm f/1.8G ED,海岸

無茶したかと思いましたが、スナップも風景も思った以上にキレイに映してくれました。特にスナップの雰囲気は好きですね。f/4で撮影しますが、1段以上絞れるので周辺減光が無く中央は今までに無くシャープです。パンフォーカスは情報量が多くてD750では追いつきません。流石、D800番台の高画素機でも余裕を見せるレンズ。逆光にも強く、意地悪な画角でもフレアは発生していませんでした。これなら夜の公園やヘッドライトの流れなど、映り込みを気にせずに済みますね。そしてオーバー気味の中でも白飛びはせず、柔らかい泡と硬い小石の其々の動きをしっかりと描写しています。VRは有りませんが、その分は明るさと圧倒的画質でカバーしてしまいます。

AF-S Nikkor 35mm f/1.8G ED,海岸

モノの質感や強いコントラストも、キレイに表現してくれます。硬いものは固く、柔らかいものは柔らかく写す事は、言う程簡単な事では有りません。コンクリーに落ちる影やシミの微妙な色合いをも生々しく捉えられる点は、コンデジやiPhoneでは表し得ない明確なアドバンテージ。デジイチの持つ圧倒的な強みであり、さらに言えばレンジファインダーやEVAでは感じる事が出来ない一眼レフの特権。私がカメラに魅せられたそのものです。ただただシャッターを押すだけで日常が彩られる、私の欲するレンズはどれも共通してその要素を持っています。レンズ沼?そんなモノ有ったでしょうか。晴れた夕暮れにベランダを映しただけで、こんなにも楽しいレンズはそう他にありません。RAWから撮って出し無調整(リサイズのみ)だって、こんなにも楽しい写真が撮れるんです。35mmを選ぶ上で迷う要素は無いでしょう。

AF-S Nikkor 35mm f/1.8G ED,日没