ステーキナイフを買ってキャンプ用に研ぎ直してみた

フォールディングよりシースナイフに憧れる

 手持ちのナイフは長らくミドルサイズのVICTORINOX キャンパーを使っていました。20年近く愛用していましたが、昨年釣り場に置いてきてしまった模様。その後、キャンプでも勝手が良かろうとラージサイズのフォーリスターCを購入。ロック付きの8cmブレードがかなり重宝してます。反面、キャンプで料理をするには刃渡りがまるで足りません。携帯性と刃渡りはトレードオフになるため仕方ないとは感じるものの、すこし納得しがたい結果です。ふと『刃物を持ち歩いてもゆるされる場で、マルチツール1本と言うのは何だか勿体ない』気がしてきました。せっかくのアウトドアなのだからシースナイフが使いたいと言う思考に至りますが、これはおかしな事でしょうか?確かに危ういですが、楽しそうじゃありませんか。

VICTORINOX フォーリスターC

格好の良い道具は高くて手が出ません

 マルチツールからシースナイフに変えるとなると『加工する・切り開く』等に使う大きめの物と『調理・食事』に使う小ぶり物も2本が必要となります。大きめのナイフは総じて高価な上、趣味性が伴うため購入は先ので。今使うVICTORINOXでしばらく我慢です。もう片方、キャンプ飯に使う用はペティナイフ良さげに思いました。軽量コンパクトで料理に特化した上に手頃な価格。ただ非日常を楽しみに来たのに、生活感が出てしまうのが欠点です。見目の良い物はこちらも総じて高く、機能的 造形的に優れている物は更に高額。台所用品では無い見た目で、デザインや刃渡りなど勝手が良く、鋼材や仕上など妥協の無い刃物を探していた所へヒットしたのがブラジルの刃物メーカー トラモンティーナのステーキナイフでした。

 トラモンティーナ ステーキナイフ

このナイフはMaid in Brazilです。グリップ10cmで刃渡り13cm・厚さは2.0mmのブレードは、食卓ではゴツいもののアウトドアでは重宝するサイズ感。鋼材はVICTORINOXと同じ1.4110 マルテンサイト系ステンレス鋼。グリップは集成材ですが木製で塗装が施されています。全体的に仕上もキレイで価格も安く、ダメ元で試すには丁度良い感じ。軽く研いでみましたが、思った以上に良い切れ味で第一印象は良好でした。

キャンプ用ナイフ 比較

安い刃物の中にはブランド品のバッジを着けながら、中華製の安い鋼材と安い仕上げの製品が多いだけに信用がおけません。熱処理や仕上が丁寧な物はブランドや生産国問わずソコソコ高価です。それらに比べるとカトラリーの範疇にあるステーキナイフは比較的安価。そして海外のお肉は固い事が多いのでシッカリ切れる刃を備えています。刃渡りの割にグリップが小ぶりな事もキャンプでは好都合。今回購入したモデルは定価こそ5,000円を超えていますが、購入したときはAmazonで1,600円程でした。波刃ですし、ダメ元で試すにはピッタリの代物です。さっそく小アジを捌いてみましたが、思いの外良い仕事をしてくれて驚きました。反面 野菜などは断面が荒れる上、まな板を傷つけるので使い物になりません。予想はしていましたが、思う以上にダメ。購入し立てですが、さっそく波刃は削り取られ普通のナイフ形状へリフォーム。鋼材が良かったため研ぎ直し後の切れ味はナイフ並みに良好。素性が良いと小手先の調整でも化ける点が良いですね。

ステーキナイフをキャンプ用に研ぎ直してみた

大きいナイフは追々買うという事で

 先に書いた様にキャンプ場では咎められる事無くシースナイフが使えます。俗に言うキャンピングナイフは所有欲を満たすしますが、高価な上に汎用性は皆無。言葉を選んでも『楽しいだけで役に立たない』代物です。正直な所 フェザースティック作ったり、薪のサイズを調整するだけなら、VICTORINOXでも不便はありません。薪割りに使うなら断然 鉈ですしね。では何故、別の刃物を欲するのか? 実用的過ぎて格好良さが少し役不足しているからでは無いでしょうか。バカな話ですが『たまの休みに格好を付ける』このためだけに欲するのだと思います。