マグライトの延命処置とは
省電力化に尽きると思います
何故ならボディは丈夫だから。単三・単四の細いのではありません、単二・単一を使うDとCタイプのお話です。電球・Oリング・スイッチ・ゴムカバーは仕方ないにしても、ボディが壊れる事はまずあり得ません。20年以上愛用している我が家のマグライト4Dは照らすと言うより、災害・防犯・事故など、身を守る用として置いてあります。後20年位使ってもヤレそうにありませんが、クリプトン電球の消費電力は流石に無視できなくなってきました。電球の寿命だけでも4~50hだったでしょうか。ドライブ時間が短すぎます。そして暗い。昨今のLEDライトは安物でも明るいですし、クリプトン球と比べて照らしムラが少ないのが特徴です。CとDのタイプは電球がP13.5sの規格品なため、今回は電球のみLEDに交換して延命を図りたいと思います。
該当商品は沢山見つかったのですが
それにしても、最近はニッチな商品でもAmazonで検索すると選べる程見つかるので助かりますね。その反面、性能・品質がスペック通りでは無い粗悪な製品が多く、悪意を持った販売やレビューが多いのも悩み所。純正品やメーカ品を購入する分には良いですが、今回の様な時にはかなり困ります。無数に表示される商品の中から、
- 商品名の表記に怪しさは無いか
ノンブランドにもかかわらず、複数のブランド名やメーカ名が列挙されている商品はその時点で除外です。 - スペックに過剰な宣伝や辻褄の合わない性能が書かれてないか
専門的な知識が必要な場合もありますが、見比べると性能が過剰に書かれていたりするので結構分かります。 - 商品説明の日本語がおかしな事になっていないか
特に中国の販売者は自動翻訳で説明を書くので目安になります。『私たちは○○の性能を承認されています』みたいなのですね。 - 販売責任者名や表記された住所・電話番号は存在しているか
台湾・香港など工場や会社直販で住所や電話番号に偽りが無ければ良いのですが、個人の出品者は要注意。国内を装った偽のショップも在ります。GoogleMapで住所を確認したり、会社概要の有無を確認しています。 - 過剰な安値が着けられていないか
Amazonが販売している訳では無いのに、3割以上安く売られている様な場合は疑って掛かります。定価の3割引きならいざ知らず、日本の小売りにおいて流通価格から3割引くのは不可能ですから。 - 体量のクレームが発生していないか
レビュー等に惑わされて購入した方の書込みを確認します。『届かない』や『違う物が届いた』など低評価レビューで確認します。ユーザーと出品者、どちらに非があるかは主観で判断するしかありませんけど。
などなど疑いの目で商品を探す訳です。あまり楽しい作業では無いのですが、期待して買ったのに、ガッカリ商品で気分を落とされよりは遙かにマシなはず。以前と違いAmazon'sChoice や Amazonからの発送品だから安心とはならないのも、面倒くささに拍車をかけます。
『P13.5s 交換用 LED』で検索すると30点以上ヒット。この中から『4~12V』『6~24V』など幅の広い定格を謳う商品は除きます。電気製品は動作にある程度の許容が在るのもですが、性能を発揮する値はそれ程広く無いからです。次に『3W』『5W』や『300ルーメンス』等のハイパワーを謳っている物は除きます。パワーLEDを正しく動作させるには、回路など複雑になりますが電球内の納めるには値が張ります。仮に出来たとしても放熱の問題がクリアーできません。スペックに偽りが在ると考えられるため除外です。残った中で定格電圧6Vの表記があり、最低でも1Wの光量がある製品を探すと8点に絞る事が出来ました。『特定商取引法に基づく表記』を確認すると、7点は中国のストアで個人の出品。商業都市でも工業都市でも無い地域だけに怪しさ満載です。残る1点は大阪に本社を置くハンティング用品の輸入代理店。ストアフロントを確認すると、各種LED電球を扱っている事が分かったため購入する事に決めました。
写真ではどれも同じに見えるので
価格は980円。小さな小箱に入って届きました。この形状は他の商品でも使われていたので、工場など出所は同じかもしれません。CREEもしくはEpistarの1W LEDが付いているとの事ですが、見た感じでは判断できません。
下部の電球形状の部分は少し雑さを感じますが、上部のケースは作りが良さそうで、LEDユニットも中心にあり水平も出ているようでした。サイズも規格通りの様です。今まで装着されていたクリプトン球と並べてみましたが、見た目で弊害が出そうな部分は見当たりません。LED部分はフィラメントより前に出ていますが、特に問題な無さそうです。
さっそく取付けて点灯してみました。色は白色度が上がりLED電球らしい雰囲気に。光源が面となったため光にムラが無くなりました。半球のレンズも歪みは無い様でキレイに丸く映し出されます。見やすさとしてはかなり改善された印象です。 公称80~100ルーメンス との事ですが「凄く明るくなった!」と言った印象はありません。青みが掛かった分、むしろ暗くなったようにも感じます。
条件を揃えて、検証してみた所
電球を入れ替えて見比べて見るもハッキリとしません。かなり気になったので、同じ環境を作って検証してみました。3m離れた壁に垂直に照射し、ワイドとスポットで撮影してみました。まずはLED豆球から。
スポットはキレイな円型をしています。レンズ型LEDのおかげで中心はかなり絞られています。遠くまで光が届きそうですね。ワイドは、光源部分はクリプトン球より前方にあるためダークスポットが大きい様に思われます。ただし、光の広がりはムラが少なく広い範囲をキレイに照らしている印象でした。
続いて標準装備のMAG-LIGHT LWSA401クリプトン球。
比較的白めとは言えLEDに比べると色温度はかなり低くなります。スポットの中心はLED豆球より明るいかもしれません。ただ照射範囲に歪さがあります。ガラス風防のためか全体的にヨレが出た様なムラが見受けられました。ワイドも同様でガラスによりヨレが見て取れます。照度こそLEDと同等ですが光のムラが目を惑わせるため、見えにくい印象を与えます。
最後にオプション品のMAG-LIGHT MSA4マグナムスタークリプトン球 。
光の色味は LWSA401同様の電球色です。ガラス風防の先端をレンズ状に加工してあるため、スポットでは中心が絞られて明るくなります。ガラスによる歪みは少ないものの、レンズ効果でフィラメントの影が映ってしまいます。照度の差はほとんど無いのに、3つの中では最も見え辛い印象でした。
1,000円位なら妥当だけど、それ以上となると・・・
電球の寿命と点灯時間を大幅に引き上げる事が出来た事を考えると、十分な成果だと感じました。反面、劇的に明るくする事が出来なかったのはかなり残念です。もしかしたら効率の良いLED豆球があったのかもしれませんが、電球だけで費用が嵩む様だと本末転倒です。初めからLED用に作られた最近のライトの方が価格も安く遙かに明るいからです。
ミニマグサイズのハンドライトでも、これだけ明るく照らせるのですから。モデルチェンジした現行型マグライトは3DタイプでHi:625ルーメンス / Mid:120ルーメンス / Eco:85ルーメンスの制御型に変わりました。価格は送料込みで37USDです。長く大事に使いたい気持ちは大切ですが、性能が費用に見合わない様では本末転倒。毎日使う道具では無いので妥協は出来ますが、趣味の道具だったりするとジレンマに陥りそうです。