低反発イヤーチップ FSC のその後
今年もイヤホンの季節になってきました
ヘッドホンは夏場熱がこもり汗でクッションがヘタるため、この時期からだんだんとイヤーホンを使う機会が増えてきます。昨年の夏にUE900に着けるウレタンイヤーチップをコンプライ T-500からFSCに交換してしばらく経ちました。金欠からノンブランド品を買う羽目になっただけなのですが、思いのほか良い物を見つける事が出来たと感じます。
いくらも使わない内にヘッドホンの季節になったのであまり活用しなかったのですが、その後の様子と感想を簡単に語りましょう。
何を重視するかで評価は変わる
前回にも書きましたが、性能面でコンプライがFSCに劣る部分はほとんど有りません。開発や素材などコストが掛けられたコンプライは、非常に良く出来た製品だと感じます。その上でFSCを評価するなら、やはり『コストパフォーマンスが高い』の一言に尽きるのではないでしょうか。フィット感や長時間の使用を重視したコンプライはライフがかなり短いイヤーチップです。引っ張りや擦れに弱く、持ち歩いている内に切れたりする事もしばしばでした。それに比べてFSCは、フィット感こそ劣りますが使用時や持ち運びで傷む事をそれ程気にせず使えます。万が一傷んだとしても、惜しいと思わず交換できるのはコスパの高い製品の大きな利点。また、密度が高く均一なウレタンのため耐久性が高い印象。雑に扱っても表面の痛みが少ないのは、外出の度に持ち歩く身としては喜ばしい。それでいて遮音性は非常に高く、出ていく音も入ってくる音もコンプライ並みに収める事が可能。ぷあオーディオ的に、かなり有り難い特徴だと言えます。
当初は着け心地の悪さが気になったウレタンの硬さも、時間が経つにつれて程良くほぐれて耳に馴染んできました。外耳道へ押し混んだ際のフィット感は到底コンプライに及ぶものではありませんが、浅めに差して使う分には十分です。そしてフィット感は今をピークに後少しづつ悪くなってくるのでは無いでしょうか。コンプライのフィット感は新品の時が最高潮で時間と共に劣化するだけですが、FSCのフィット感は徐々に馴染んでピークを迎える印象です。解れたとは言うものの、型崩れや切れはありません。半年以上経ちましたからコンプライなら交換時期なのですが、FSCはもうしばらく使う事が出来そうです。
どんなイヤホンで使うかは確認が必要
差し込み径の都合もありますが、それ以上に気にするべきはイヤーホンの保持の仕方な気がします。コンプライの様に外耳道へ深く差して使えないため、耳掛けを持たないタイプとの相性は悪いはず。サイズ展開されてるのでピッタリ合う可能性も考えられますが、どちらにせよFSCのウレタンスポンジはコンプライ程心地良く保持出来る物では無いでしょう。度々位置を直したり、落とした・踏んだ・無くした等のリスクを抱える事は賢明だと感じません。長時間使うつもりなら迷わずコンプライを推奨します。
結局FSCの評価はどう変わったのか?
今回も散々な言われ様の FSC 低反発ウレタン製イヤーピース でしたが、私の中では変わらず評価の出来る製品でした。コンプライ T-500が1セット1,000円を超えるのに対してFSCは3セットで580円。性能面では到底コンプライには敵いません。しかし多少不便さがあっても、コストパフォーマンスの高さが帳消しにしてくれます。特にシリコンピースに違和感や不満を持つ方には是非試して頂きたい。合わなかったとしても580円なら痛手も少なく済みますからね。形状やサイズが複数有るので、ご自分にフィットする物を探してみてください。