久々におニューのリールを購入
愛機をメンテナンス中にぶっ壊す
竿に比べてリールは駆動部品が多い物の、壊れる事が少ない丈夫なアイテムです。消耗品の交換や手入れをしてやれば10年以上使える代物ですが、手入れの最中に謝って壊してしまいました。モデルは低価格帯商品トップグレードのダイワ フリームス。高価格帯商品の新技術が比較的早く付与される歴代でも人気のシリーズで、11フリームスも例に漏れずお財布に優しい名機種でした。 デザインも色も気に入っていたので気が滅入ります。原因は内部の駆動ギアを取り外す際に、無理にこじった事によるボディー側軸受けの破損。軽量モデルは炭素粉を混ぜた樹脂製のボディーなためネジ穴やベアリング軸受けなどが割れやすい様です。仕方ないですね・・・。すぐに使う予定は無い物の無くなると困るアイテムなため早速物色開始。予算5,000円以上1万未満で中古品を物色しますが、タイミング良く在庫処分のお買い得品が目に止まったため新品を購入する事にしました。
11フリームスから17エクセラーに
今回購入したのは2017年発売のダイワ エクセラー。実売1万円以下で購入でき、一周遅れですが上位グレードの機能が付与される手堅いシリーズ。17エクセラーは来年更新なんでしょうか?現品限り6,580円(55%OFF)で投げ売りされていたため、間髪入れず注文してしまいました。
見た目は壊してしまった11フリームスに瓜二つ。内部構造の確認とグリスアップのため分解してみると、部品の配置・寸法・品質などは酷似していました。ボディー素材は樹脂でなくメタルとなっており、新型ドラグと新型防水機能が付与されています。11フリームスの正常進化版といった感じでしょうか。見慣れた構造なため安心して整備出来る上、壊したフリームスからスプールが流用できる点はかなり嬉しいです。さっそく分解して、内部ギヤに追加のグリスを塗布していきます。
ボールベアリングも追加してみた
17エクセラーにはトルクのかかるギヤの軸受け全てにボールベアリングが配置されていますが、耐久性に支障の出ないハンドルノブ・ラインローラー・ラインスプールにはコストダウンのためプラスチック製カラーが使われています。ただ各所のカラーはベアリング規格サイズなため、自前でボールベアリングを入れる事が出来る設計。専門ショップで部品を調達し、さっそく追加していきます。
まずはハンドルから。隠しカバーを開けてネジを外したら、ハンドル両端の凹みからカラーを外して内径4mm×外径7mm×幅2.5mmのシールドベアリングに置き換えます。価格は1つ295円。改造箇所では最も手元に近く、変化を実感出来るポイント。純正状態で対応して欲しい部分ですが、低価格商品ですから改造可能なだけ有りがたいと思わなくてはならないのでしょう。柔らかいオイルを塗布した後、逆手順で組み付けます。
2箇所目はラインローラー。実感出来る部分では無いものの、大物が掛かった際には力が集中するポイント。ラインのヨレやブレイクを避けるためにもスムーズさが求められます。スリーブの入るプラスチックカラーを外して、内径3mm×外径6mm×幅2.5mmのシールドベアリングに外径5mm×内径3mm×板厚0.5mmのシムリングを入れて置き換えます。価格はベアリング291円 シム1枚98円。ここも柔らかいオイルを塗布して組み付け。
最後はラインスプール及びスプール軸。この部分は正直な所、変化を感じる事が難しい部分だと思います。ただプラスチック製カラーに比べてヤレに強いでしょうから古くなってきた時に変わってくるかもしれません。内径7mm×外径11mm×幅2.5mmの開放形ベアリングを用意、スプール内部のとスプール軸受けの2カ所に入れていきます。
まずはドラグ側。六角形のサークリップを外して、ドラグプレート・ドラグワッシャー(シート?)を外すとその下からカラーが出てきます。ドラグワッシャーには専用のグリスが塗布されているので、外さずに交換しました。脱着はピンセットで優しく行います。
続いて軸側。細くて小さなサークリップをピンセットで外します。このサークリップはかなり飛ばしやすいので慎重に。カラーを外したらベアリングと入れ替えてクリップを着け終了です。価格は1つ210円。気にせず探していたため開放形を注文してしまいましたが、次回買う時はシールド形を買おうと思います。常時回転する箇所では無いため、グリスをしっかり塗布して組み付けました。
敷居は低く、満足度は高い趣味の道具
昨今の釣り道具はかなり繊細な作りになってきました。私が釣りを始めた20年前に比べるとフラグシップの価格は2倍近くになっています。その反面低価格帯ミドルグレードの商品は恩恵を受けている印象です。5~6年前にはなるものの、上位グレードの機能を継承しており廉価版と言うには豪勢な作りとなりました。安い素材・粗い工作精度では無く、償却済みパーツ・償却済み技術で作られるリールは、初心者であっても大きな満足感を得る事が出来るでしょう。他の業界に比べると随分良心的な方針ですね。その志、貫いて頂きたいとお思います。