釣れない釣りは、詰まらないかもしれない

 忍野への釣行が増えてきたので、渓流で使用できるロッドを購入しました。元々 管釣り用にロッドを新調しようと思っていましたが、そちらはいつの間にやら興味が薄れました。

Daiwa Purelist AT 56LFS-2

 Daiwa Purelist AT 56LFS-2 は管理釣り場(Area Trout)専用に設計された初級向けのロッドです。しかしながらスペック表を見る限り、使いにくさしか感じる事の出来ない仕様となってます。ルアーウェイトの下限は0.6g、上限でも4gであろう管釣りの世界で、この竿のルアーウェイトは1~6g。コントロールの難しい下限は能力不足で融通の利く上限は余る事になります。また価格設定が高めで、その割には技術面や特徴で他に比べ魅力的な物が在りません。定価の60%OFF、売価の30%OFFで売られていたので手に取りましたが、正直な事を言えばその瞬間まで選択肢には無い製品でした。

Daiwa Purelist AT 56LFS-2

 管釣りの世界では見向きもされないだろう竿ですが、渓流を視野に入れると少し見方が変わります。渓流では強い流れに負けない、4~6gの重めのルアーが主流。どのメーカも3~10gを目安に硬めの竿を作ります。しかし不慣れな内は硬い竿で小型のマスやヤマメを相手にするのは難しいのです。また狭く足場の悪い釣り場で、硬い竿を使い軽いルアーをコントロールするのは困難です。最初の内は『上限を削ってでも柔軟性のある竿が欲しい』と思う事になるでしょう。そんな時、この竿は驚く程ベストマッチなんです。

Daiwa Purelist AT 56LFS-2

 渓流釣りでウンザリするとすれば、それはいつでしょうか。恐らくエリア(レジャー)からネイチャー(ホビー)にステップアップした時ではないでしょうか。ナチュラルウォーターで釣りをする時、この差は言葉で見る以上に大きなステップです。『テクニックや資金面など、初めての難しい局面で "渓流は詰まらない" と思って欲しくない。釣りの奥深さを感じた人に気持ちよく次のステップへ進んで欲しい。』ピュアリストと名付けられたこの竿の仕様からは、新しいユーザを落胆させまいとする意図を感じ取れる気がしてなりません。自分の釣りも今後は調子よく行かないと分かっているのですが、今感じるのは何故か頼もしさと楽しさばかりです。