Weraの工具を安価に買うために
素人でも良い道具を使いたい
PB SWISS ・ Hazet ・ STAHLWILLE ・ KNIPEXなど 特徴ある工具メーカーは色々あって、本職の人は作業箇所に合わせて最適なブランドとツールを使い分けます。それらは "好きで集めている" 訳ではなく "必要だから用意する" モノですが、素人は表面だけ見て真似したいなと感じてしまう訳です。かく言う私も例に漏れず憧れる訳ですがソコソコ高価な道具なため手が出ません。KTC・TONE・ko-kenなど国産メーカが存在する日本で、本職で無い人間が舶来品を買う理由は正直皆無です。理解していても憧れてしまうのは、私にとって工具が "趣味の道具" になってしまうから。実に度し難いですね。
とは言え必要性に折り合いをつけつつ出来るだけ良い道具・願わくば憧れるモノを買う事は必ずしも無駄では有りません。何故なら素人は1つの道具を一生かけて使い続けられるからです。早々壊れる事の無い道具なら、安物を買う通りは無いはず。プラスドライバーなんて高くても2,000円前後で、私の使い方なら10年でダメになる様な事は有りません。年間に換算すると200円。ネジ山をナメたり、目にする度に気分が落ちるくらいなら思い切って気になっていたモノを買っても損は無いはず。趣味の道具なら出番の無い日も見て楽しめるのでお得だと思えるのですが・・・この感覚、私だけでしょうか?
(+)2 と Hex 4mmボールポイントのショートビットを買う
Amazonで工具を検索していた時の事、ショートタイプ ビットの価格が単体だとかなり安いと気が付きました。Weraの製品でも単品購入なら200円程から。「コレは本物だろうか?」と少し不安な気もしましたが、ダメでも痛手は少ないので他の買い物のついでに注文してみました。ひとまず使用頻度が高い (+)2番と、隙間作業用のHex 4mmのボールポイントを選択。価格は其々240円と648円。Hex はスタンダードな840/1Z-4.0 なら240円で売られています。
届いたのはブリスターパックでは無くバルクの袋詰めでした。成る程納得です。両方とも同じ鋼材・同じ仕上げに見えるため偽物と言う事は無さそう。ダイヤモンドコーティングや表面塗装のない鉄製で、細かな切削痕が残るエッジの効いた仕上がりとレーザー刻印が無骨ですね。塗装やメッキ処理に比べ華は有りませんが個人的には硬派で頼もしさを感じます。ホルダーへの嵌合が他のビットに比べてシッカリしている印象。ネジ山へのフィット感もガッチリしていて病みつきになりそうです。Weraのと言えばレーザーチップやダイヤモンドコーティングですがドライバー単体としても優秀な模様。HexボールポイントはHexPlusと違い点接触となり少しルーズながら、こちらも安心感の高い使い心地。精度の影響なのか鋼材の質なのか分かりませんが非常に硬い印象を受けます。
(+)は長さが25mm・32mm・50mmとラインナップ豊富。国内メーカにはない心配りでプロ用ツールとして好感が持てます。今回の32mmにしてもボールポイントにしてもタイトな配置のネジにアプローチ出来ないため買いました。変則的な要望にも個別対応できるのはビットツールの利点。非常に満足感の高い買い物なりました。
可能性は有るのに選択の幅が狭い
私や一般ユーザが使うのは電動や据置の機器で無くドライバーの類です。デスク周りや自転車整備などで使うには小柄で取り回しの良さが求められ、価格や拡張性も加味するとビットツールが選択肢に上がります。ですがショートタイプビットはホルダーがビットに対して太くなり、ビット長も25mmと短いため細かなアプローチが苦手。こう言ったチグハグさから中途半端な道具との評価が多いようで残念です。ビットホルダーもグリップタイプやラチェットタイプは存在しますが、スピンナハンドルの様な細かなアプローチの出来る製品は見当たりません。ネガティブな要素がもう少し払拭されれば良いツールになるはずですが需要の低さから似たような製品ばかりになるのは本当に残念です。
それでも近年はWera・PB SWISS・TONEなどメジャーメーカからセット品がラインナップされ、マイクロサイズツールとして認知度も高まってきた様に感じます。以前は "ビット ≒ 電動インパクトやドリル" との印象でしたが、実際に使ってみると使いやすい面も多く見受けられます。高価になりがちな舶来品でもビットなら価格を抑えられ "趣味の道具" を選ぶ者にとっては魅力的。もう少し世に広がれば良いのにと期待してしまいます。