改めて TAMRON SP 90mm F/2.8 Di Macroを紹介

修理から無事戻ってきました

 先月購入したSP 90mm F2.8 Macro Model : F017 が修理から上がってきました。終売から1年が経過し、程度の良い個体が少なくなる中で手にしたレンズです。部品枯渇がアナウスサれてたので、無事手元に戻ったのは本当に嬉しい。

元箱・取説・梱包材・付属品が完品で揃う、外観・レンズ共に状態の良い個体です。レンズマウント部に摩耗が見られないため、前使用者はあまり使ってこなかったのではないでしょうか。登場は2016年なので、当初の個体ならゴムやプラに痛みが出る頃です。ですがこの個体には、劣化どころか擦り傷一つありません。AFサーボの不調を除けばパーフェクトな個体。非常に満足度の高い買い物をすることが出来ました。今日を迎えるまで多少時間はかかりましたが、今は満足できています。

早速、使ってみた印象

 Model : F017 は長らく使ってきた F004 の後継機で、Fマウント最後のタムキューです。ニコンを含め他社のマクロレンズは105mmがスタンダードですが、それに比べると画角は5°以上広く重量も150g近く軽い仕上がり。焦点距離と光学設計の優位性からポートレート・風景・アイテム撮影とマルチに活用でき、単焦点ながら汎用性が高い点は他のレンズに無い稀有な特徴。また防塵/防滴設計で、これは非常に心強い仕様だと言えます。

最短撮影距離は0.3mで、レンズから被写体までの距離は0.15m。この時のF値は5.7まで低下します。ですがピントの合焦は素早く狂いが有りません。暗幕を引いたデスクトップでのストロボ撮影にスピードライトを使う場合でも、迷いは無くスピーディーに動作します。

ボケの滑らかさやキレは健在。光学設計はF004と変わり無いと聴きます。ですがフィルター経が58mmから62mmに、銅鏡中央も少し太くなった点は興味深いですね。50gの重量増となりますが、外観やスイッチのデザインが見直され、操作性は大きく向上しました。スペック表には現れませんが、体感では進化を感じ取れるモデルチェンジだと感じます。マクロなのに、1本でマルチに活用できる類を見ないレンズ。過去には手放す事も考えましたが、F017なら長く付き合っていけそうです。

フォトライフに活力が戻る予感

 TAMRON 90mm Macroは私の写真を撮るスタンスに大きな影響を与えました。初めて手にしたのは先々代の Model : 272E で、社用機材として物撮り・人物・取材に使用してきました。ズームの方が楽だし支出も少ないと分かりつつ単焦点を選択してきたのは、映りの良いレンズが持つ魅力を知ったからだと思います。ミラーレスが主流となり、レンズに頼らずとも高画質で撮影が可能となりました。それでも光学設計が作り出す "シャッターを切りたい" と思わせる心象は無二の感覚だと感じます。光学ファインダーが存在するもう暫くの間、このシガラミに浸っていたいですね。